どんよりした空の下、紅梅の鮮やかさが目についた。
常磐線沿線の住民でありながら、こちらも初めて訪れた駅だった。
建物は無事だったように見える。
北隣の浜吉田駅より更に海に近いところだという影響は・・・
やはり受けていたようである。
跨線橋、ホームの建物は大きく痛んではいないようだ。
この周辺、自衛隊の車輌が目立った。
ホームへの堆積物は多くはないが、流されて来た車輌が幾つか。
全く手が付けられないといった状況・・・
ここから先は駅舎がなくなっていたりと、復旧の見通しが立っていない。
駐輪所と駅舎の間の梅・・・
あの日以来、取り残された自転車かも知れない。
駅前案内板を見ると、海との距離が思いのほか近いのだと判った。
駅前の商店。
住民はいずれも避難しているか町を去ったのだろうかと思っていたら、声を掛けて来た老人がいたり、家の片付けをしている人を何人か見た。
外見からは判らなかったが、酷い有様だった。
波が突き抜けたのだろう。
椅子。
文庫本は売店のものなのか、乗客が持っていたものなのかは分からない・・・・
海岸寄りの場所に行く度に想像もつかない光景が広がっていた。