「その先」に行けなかったのは、規制がかかっていたことと行ってみる事への躊躇いがあったという理由からだったのだが。
○島商店さんとファミマの二つの分岐路から先は津波が押し流してきたものが散乱していたが、あれから三ヶ月ほど経っていてかなり片付いていた。
破壊されたビニルハウスがあったお宅ではそれが立派に作り直されていたり、堆積物溢れる用水路もすっかり片付けられている。
自衛隊やボランティアの方々、勿論地元の人達も少しずつ作業していたのだろう。
神社の東まで行って引き返した三ヶ月前。この日は勇気を出して先迄行ってみた。
水はいまだ引かない・・・・
今迄停まっていた交差点は信号がなくなっていて、その侭通過。
すぐそこは漁港。
この辺りの企業や店舗も悉く被害を受けた。
「美味しい」という和食屋は建物がまるごとなくなっていた。
持ち主の意向で、「取り壊し・撤去」希望の物件には赤の旗を立てて、作業しやすいように表示をしたという。跡形もなくなった建物の中にはそういったものもあったのだろう。
波の流れの複雑さ。残った家屋と根こそぎもっていかれた家屋。
その分かれ目はなんだったのか分からない。
・・・・つづく。